研究課題/領域番号 |
21K17621
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
福本 寛之 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00779308)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 皮質脊髄路興奮性 / 経頭蓋磁気刺激法(TMS) / 二重課題法 / 随意的筋弛緩 / 皮質抑制性 |
研究実績の概要 |
本研究全体を通して,これまで評価されていなかった随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題を同時に行う際の随意運動の発現過程さらにその時の二重課題干渉を,皮質脊髄路の興奮性の指標であるMEPならびに皮質抑制性の指標であるCSP durationという神経生理学的指標を用いて評価するための研究計画を立てた。本研究では,随意運動の発現に大きく関与している,一次運動野(primary motor cortex: M1)からの運動指令の伝導路である皮質脊髄路の興奮性を経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)を用い,筋から誘発される運動誘発電位(motor-evoked potential: MEP)振幅ならびに皮質抑制性を反映するCSP durationを指標にすることで非侵襲的に評価する。3つの実験を通して随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響(実験①),随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質抑制性に与える影響(実験②),二重課題のトレーニングが皮質脊髄路の興奮性ならびに皮質抑制性に及ぼす影響(実験③)を検討する。実験中は参加者には,安静座位状態で1)安静条件,2)認知課題条件,3)10%MVCと30%MVCから音に合わせて完全脱力の状態にする(0%MVC)課題(単一運動課題条件),4)3)の課題と同時に2)と同様の認知課題を遂行する課題(二重課題条件)を行ってもらう。それぞれの課題において,左運動野(M1)をTMSで刺激し,右手第一背側骨間筋(FDI)から 皮質脊髄路興奮性の指標となるMEPを記録することとした。令和5年度は,主に実験①と実験②の実験を進めてきたが,予定している実験参加者数まで達していないため,実験を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は,随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響について明らかにすることを目的とした。 令和4年度までは,本実験のためのシステム構築や予備的な実験に時間を費やしていた。 令和5年には,全ての実験を終える予定だったが,現在実験の途中であり,進捗状況としては,当初の予定より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は予定していた実験を完遂させる。 またデータ解析と学会発表や論文公表のための準備を進め,本研究課題の成果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地での参加を予定していた国際学会に参加できなかったこと,予定していた実験が途中であり,論文校正等に支払う予定の金額を支払っていないため次年度使用額が生じた。
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