本研究では、高齢化に伴うサルコペニア(骨格筋量の減少)と肥満が組み合わさった「サルコペニア肥満」を早期発見できる方法を構築することを目的とした。エンプティカロリーに着目し、高齢者の身体組成の値と栄養・食事摂取状況の関連を明らかにすることとした。エンプティカロリーはカロリーは高いが栄養素が極めて少ない食品とされており、食事調査から得られる。 本研究の1年目では地域在住高齢者を対象に、身体活動量(三軸加速度計を用いて)エネルギー消費量(二重標識水法を用いて)、食事調査(3日間の食事記録+写真記録を用いて)、身体機能評価そして身体組成(生体インピーダンス分析装置)の測定を行い、データ採取を行った。対象者は30名であり、横断データの採取は滞りなく終了した。 2年目では1年目に得られたサンプルの分析を行った。対象者に安定同位体を摂取させ、その後得られた尿を質量分析することである。分析はサンプル数が多く予定以上に時間を要した。30名の安定同位体分析は終了し、身体組成や身体機能と同様のデータセットとして組み込んだ。 3年目は食事調査の栄養摂取量の分析を進めた。こちらも予想に反して分析に時間を要したが、対象者全員の栄養価計算は終了している。栄養素や食事量はデータセットとして組み込んだ。 現在はデータセットの横断的データの解析中であり、サンプルや食事記録の分析に時間を多く費やした。縦断的解析については、過去6年前のデータと比較し検討する予定である。
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