研究課題/領域番号 |
21K17650
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
長太 のどか 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (10772593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Irisin / 運動 / 敗血症 / 炎症 / 栄養素 / タウリン |
研究実績の概要 |
敗血症は感染症が起因となって発症し、炎症や多臓器不全を経て死に至る重篤な疾患である。また、重症化を引き起こしやすく、国内だけに限らず国外においても死亡率が高い疾患である。そのため、敗血症の罹患や重症化を避けるための特異的治療法や予防的介入法の開発が望まれる。 Irisinは運動や寒冷刺激によって骨格筋細胞から分泌されてくる運動ホルモンであり、あらゆる疾患に対する機能や体の恒常性に関する効果が知られてきている。また、炎症性サイトカインの発現を制御することにより、抗炎症作用や障害に対する保護効果も示されている。 我々はこれまでに、内因性の循環Irisinレベルを著しく上昇させる運動プログラムを新たに立ち上げ、運動直後より分泌されたIrisinが長時間体内に循環し続けることを示した。また、運動による内因性Irisin分泌上昇が敗血症モデルマウスにおける炎症性病態の予防的介入として寄与する可能性があるかどうか検証したところ、病理組織学的解析からは複数の臓器において炎症や浮腫などを抑制することが認められ、さらに生存率においては上昇する傾向が示唆された。 2023年度は運動と栄養素による予防的介入の第一段階として、まずは筋肉の修復に必要となるタウリンを継続的に摂取させ、Irisin分泌の上昇および維持に寄与するかどうか確認し、併せて免疫組織化学的解析により検証した。しかしながら、有意な結果は得られなかった。そのため、他の研究解析結果も併せて精査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
運動とタウリン継続的摂取によるIrisin分泌および組織への影響について、有意な結果が得られなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
他に計画している研究解析結果の検証をしながら、実験条件などを再考して、再度、運動と栄養素のIrisinに対する影響について検証し、さらにはこれらの予防的介入による敗血症性病態への保護効果について調べる。また、これまでに取得したデータを用いて論文作成を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
組織学的解析は研究協力者と共に進め、試薬・器具・消耗品等、既存品の提供を受けたことにより例年より購入数が少なく購入費用に余裕ができたこと、研究進捗状況がやや遅れていることから研究計画当初よりも使用金額に差額が生じ次年度使用額が生じた。これらは2024年度助成金と合わせて使用する予定である。
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