研究課題/領域番号 |
21K17673
|
研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
吉村 亮二 長崎国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20782569)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | サルコペニア / SAMR1 / SAMP8 / ミトコンドリア機能 / PGC1α |
研究実績の概要 |
我が国は超高齢社会へと突入しており、加齢に伴い骨格筋量・筋力が減少する加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)が社会的健康問題として重要視されている。サルコペニアは、日常生活動作を低下させる原因であり、転倒・骨折のリスクを増加させ要介護状態へ移行させる主な原因となっている。そのため、サルコペニアの原因究明、予防・治療法の確立は重要である。そこで本研究では、サルコペニアの原因候補であり、加齢によって生じるミトコンドリア機能異常とアミノ酸代謝異常(筋タンパク質同化抵抗性)に着目し、その関連を明らかにすることを目的とした。 本年度は、正常老化を示す senescence-accelerated mouse resistant 1(SAMR1)と、老化促進モデルマウスであり、サルコペニアモデルと考えられているsenescence-accelerated mouse prone 8(SAMP8)におけるミトコンドリア機能を酸化的リン酸化関連遺伝子のタンパク質発現量により評価した。その結果、SAMR1とSAMP8間で酸的リン酸化関連遺伝子のタンパク質発現量に差は観察されなかった。また、ミトコンドリア生合成のマスターレギュレーターであるperoxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alphaも両マウス間で差は見られなかった。これらの結果から本研究で用いた10週齢のSAMR1、SAMP8においてはミトコンドリアは同程度であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度までにサルコペニアモデルマウスであるSAMP8においてもロイシンの筋タンパク質合成促進作用は観察され、また、SAMP8の対象マウスとして一般的に用いられているSAMR1と比較し、SAMP8においてもミトコンドリア機能は低下していない可能性が高い結果が得られている。しかし、サルコペニアの原因候補であるミトコンドリア機能異常とアミノ酸代謝異常(筋タンパク質同化抵抗性)の関連については明確な結果が得られていない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、酵素活性による詳細なミトコンドリア機能解析、アミノ酸分析によるアミノ酸吸収・輸送についての検討を行う。また、同週齢のSAMR1でなく、若齢のSAMP8を比較対象とした新たな実験を行い、サルコペニアの原因候補であるミトコンドリア機能異常とアミノ酸代謝異常(筋タンパク質同化抵抗性)の関連について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度はあまり解析が進まず、繰越金が発生してしまった。次年度は、効率的に予算を執行し、本研究計画を遂行する。
|