雌性マウス(ICR)に偽手術 (Sham)および卵巣摘出術 (OVX)を施し、術後1、2、6週間後の血中リポポリサッカライド結合たんぱく質(LBP)濃度を追跡した結果、血中LBP濃度は群間に差はなく、経時的な変化も観察されなかった。また、盲腸組織のミエロペルオキシダーゼ活性はLBPと同様に群間および経時的な変化は観察されなかった。大腿骨の骨密度は卵巣摘出後、つまりエストロゲン分泌停止から2週間後から有意に低下した。また、この骨密度低下は骨外骨格を形成する皮質骨ではなく、骨内部における海綿骨の骨密度低下に特徴づけられた。骨髄の遺伝子発現量をqPCRにより解析した結果、骨代謝に関する遺伝子はアルカリフォスファターゼのみが、術後6週間後に、Sham群に比べ、OVX群で有意に増加した。骨髄のTNF-a/IL-10遺伝子発現比は、Sham群と比べ、OVX群で、2週間後に増加し、6週間後には有意な増加が認められた。現時点では、骨粗鬆症モデルマウスにおいて、エストロゲン欠乏による骨密度低下と大腸恒常性に関係性はなく、骨髄での炎症も観察されなかった。
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