閉経に起因する骨密度の低下は女性ホルモンの欠如のみからメカニズムが説明されている。本研究では、女性ホルモンの欠如が大腸のホメオスタシスを破綻させ、大腸由来の炎症性物質が骨密度低下を誘導するのか否かを検証した。その結果、正常メスマウスと閉経後モデルマウスにおいて、盲腸内ムチン量、血中LPS結合タンパク質濃度に変化はなく、生体位において女性ホルモンの欠如が大腸のバリア機能に影響しないという結果を得た。一方、骨髄遺伝子の網羅解析を行ったところ、女性ホルモンの欠如が細胞死の1つであるフェロトーシス経路を抑制することを見出した。この知見は抗炎症成分による骨密度低下の作用機序を説明する可能性がある。
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