骨格筋幹細胞間コミュニケーションを司る分子を応用した筋再生治療法の開発

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K17679
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分59040:栄養学および健康科学関連
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 藤田 諒 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60770435)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 骨格筋幹細胞 / 幹細胞不均質性 / 筋再生 / 筋ジストロフィー / MyoDノックインマウス / サルコペニア

研究成果の概要

骨格筋幹細胞は生体内で唯一骨格筋線維を再生できる幹細胞であることからサルコペニアや筋ジストロフィー等の筋疾患への再生治療が高く期待されている。本研究では、細胞不均質性 (ヘテロジェネイティ) をキーワードに骨格筋幹細胞の幹細胞性維持に重要な分子を明らかにし、より生体内に近い、高い再生能 (増殖能、分化能) を保持した骨格筋幹細胞の維持方法の確立を目指す。研究期間内に、骨格筋幹細胞のヘテロジェネイティを可視化するMyoDノックインマウスを作成し、未分化集団と活性化集団を識別することに成功した。またこのマウスの解析から、特定の細胞集団で活性化し、骨格筋幹細胞の不均質性を担う分子を発見した。

自由記述の分野

骨格筋生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、骨格筋幹細胞の多様性とその分子基盤を解明することを目的とした。骨格筋幹細胞は、骨格筋の再生に不可欠な細胞であり、その幹細胞性を維持しつつ効率的に増殖させることが求められている。本研究では、遺伝子改変マウス（MyoDノックインマウス）を作成し、骨格筋幹細胞の未分化集団と活性化集団の違いを解析する手法を開発した。この研究開発により、特定の遺伝子が幹細胞の未分化維持や活性化に関与していることが明らかになり、本研究成果は加齢や遺伝性疾患による筋肉の減少（サルコペニアや筋ジストロフィー）に対する新しい治療法の開発に繋がる可能性がある。