研究課題/領域番号 |
21K17687
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
山崎 未来 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (10778096)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フルクトース / オルガノイド / 代謝疾患 / 肝臓 |
研究実績の概要 |
フルクトースは天然甘味料のひとつであり、清涼飲料水や加工食品などに広く使用されている。ここ数十年で消費量は飛躍的に増加した。過剰なフルクトース摂取は代謝疾患の発症要因になることが指摘されている。しかし、その詳細な分子機構については不明な点が多く、その解明が強く求められている。近年、オルガノイドと呼ばれるミニ臓器をin vitroで作成する新たな培養技術が開発された。オルガノイドは生体内の臓器に極めて類似しているため、これまで不可能であった臓器そのものをin vitroで扱うことが可能になった。本研究では生体内の肝臓に極めて類似している肝臓オルガノイド(ミニ肝臓)を用いて、フルクトースによって生じる代謝障害の分子機構を明らかにすることを目指す。申請者は肝臓オルガイドの培養法の確立を試みた。肝臓をコラゲナーゼ、ディスパーゼ等の消化酵素にて細胞分散し、マトリゲルに包埋した。各種リコンビナントタンパク質を加えたオルガノイド培養液を用いて3D培養した。その結果、嚢胞状のオルガノイドの形成、増殖が確認された。得られた肝臓オルガノイドは、肝臓を構成する肝細胞、クッパー細胞等の各種マーカー分子の発現が確認された。さらに長期的培養、継代、凍結保存の検討を進めた。初代培養肝細胞と異なり、本法で作成した肝臓オルガノイドでは10日以上の長期培養を可能とした。マトリゲルおよび肝臓オルガノイドを破壊し、マトリゲルに再包埋したところ、肝臓オルガノイドの再形成が認められ、継代操作が可能であることが示された。さらに作成した肝臓オルガノイドを凍結保存、再培養した場合においても肝臓オルガノイドの再形成が認められた。現在、作成した肝臓オルガノイドをフルクトース含有培地で培養し、生体内の肝臓と同様にフルクトース感受性を有するか解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝臓オルガノイドの作成・培養・継代・保存方法が確立され、当初の研究計画通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
作成した肝臓オルガノイドをフルクトース含有培地で培養し、生体内の肝臓と同様にフルクトース感受性を有するか確認する。フルクトース含有培地で培養した肝臓オルガノイドの表現型や遺伝子発現等の解析を進める。また、フルクトース曝露量の違い等による影響を比較する。
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