研究課題/領域番号 |
21K17692
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
秋本 高義 日本大学, 医学部, 助教 (20896948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | NIHSS / modified Rankin Scale / CONUT Score / GNRI / フレイル / サルコペニア |
研究実績の概要 |
栄養状態の評価は体重、身長、食事摂取量、合併する疾患(悪性腫瘍や消化器疾患など)や血液データ(アルブミン、脂質、プレアルブミンなど)など様々な因子を考慮する必要があり、1つの因子のみで正確な評価を行うことが正確であるとは言えない。このため脳卒中患者において適切な栄養評価指標は確立されておらず、予後と関連し得る栄養評価指標を見出すことを目的として、脳卒中で入院した患者について本人もしくは家族から同意のもと、脳卒中に関わる臨床情報と栄養状態についての問診、診察、検査を網羅的に行っている。脳卒中については、National Institutes of Health Stroke Scale(入院時、退院時)、脳梗塞症例に対してルチーンに行われる検査よりTrial of Org 10172 in Acute Stroke Treatment分類を使用した原因分類、退院時modified Rankin Scale、退院時の食事状況(経口摂取、経鼻胃管、中心静脈栄養、末梢静脈栄養)、退院先(自宅、リハビリ病院、療養型病院、高齢者施設)、入院中の合併症(誤嚥性肺炎、尿路感染症、深部静脈血栓症など)の情報を収集した。栄養状態については、問診の内容として、入院前までの半年間の体重減少の推移、易疲労性の有無、身体活動(軽い運動、体操、定期的なスポーツを週1回以上行っていたか)、5分前のことを思い出せるか、診察の内容として身長、体重、握力、歩行速度、検査の内容として血液検査、体成分組成、舌圧について収集している。脳卒中においては失語、意識障害を呈することがある他、もともとの認知機能低下を呈する症例もあることから情報の信頼性の担保として時計描画試験、遅延再生課題による簡易認知機能評価も行い、参考にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
体成分組成計の準備に時間を要したため患者エントリー開始が遅れたが2020年8月以降、90例程度と概ね順調に情報収集している。また、情報収集した患者のほとんどは急性期虚血性脳卒中(脳梗塞)であったが、症例数は問題ない範囲と想定している。引き続き、臨床情報の網羅的収集を続けていく。
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今後の研究の推進方策 |
2022年秋頃までにデータ収集を終え統計解析を行う。これらの網羅的情報から急性期脳梗塞患者における重症度、原因の他、Body mass indexやControlling Nutritional Status Score、geriatric nutritional risk indexといった栄養評価スケールを算出するのに必要な情報が収集可能である。また、これまで明らかにされていない、急性期病院における脳梗塞患者における入院時のフレイル、サルコペニアの合併率の算出を試みる。これらの情報と脳梗塞の予後、栄養摂取不良例における因子を検索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の一部の購入費用および体成分組成計の借用費用が割引されたため55,769円が次年度使用額となった。次年度において、当初の予定よりも体成分組成計の借用期間を延長することや、消耗品購入費用に充てることを計画している。
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