研究課題/領域番号 |
21K17700
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 慧 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00758716)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 遷移問題 / 普遍代数学 / 計算複雑さ / アルゴリズム |
研究実績の概要 |
本研究では,制約充足問題の遷移問題の計算複雑さを,普遍代数学を援用することにより分類することを目指している.そのための足掛かりとして,本年度は,制約充足問題の探索問題の計算複雑さ分類において有用であった普遍代数学的性質の圏論的な抽象化を行った.これにより,普遍代数学を用いた技術が適用できる問題の範囲を広げることができた.本成果に関して執筆した原稿は,圏論の応用についての国際会議であるThe 4th International Conference on Applied Category Theoryに採択され,オンラインにて発表を行うことができた.この成果により得た知見を,遷移問題の計算複雑さ分類へ生かす予定である. また,制約充足問題の特殊例とみなすことのできる整数計画問題に対し,特殊な代数的性質をもつ問題における解空間の構造について解析した.具体的には,整数解を求める問題を,実数解を求める問題へ緩和した際に,緩和した問題の解から整数解を求める手法を開発した.本成果は,遷移問題を考える際に得た知見を生かすことにより得られた成果である.本成果に関して執筆した原稿はプレプリントリポジトリの一つであるarXivへのアップロードを行った. さらに,制約充足問題の遷移問題の計算複雑さ分類に関する知見を深めるため,個別の問題に対する計算複雑さ解析やアルゴリズム開発を進めており,徐々に結果が出始めているところである.特定の問題に対してはまとまった結果を出すことができたので,現在,論文執筆を行っているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.制約充足問題の探索問題の計算複雑さ分類において有用であった普遍代数学的性質の圏論的な抽象化を行った.これにより,普遍代数学を用いた技術が適用できる問題の範囲を広げることができた. 2.制約充足問題の特殊例とみなすことのできる整数計画問題に対し,特殊な代数的性質をもつ問題における解空間の構造について解析することができた. 3.制約充足問題における個別の遷移問題に対する計算複雑さ解析やアルゴリズム開発を進めており,徐々に結果が出始めている. 以上のことから,本研究計画はおおむね順調に進展しているとみなせる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた結果を論文として順次まとめていき,国際会議での発表や学術雑誌への投稿を目指す. また,制約充足問題の探索問題の計算複雑さ分類において有用であった普遍代数学的性質を遷移問題へ適用できるように拡張することを目指す. 同時に,制約充足問題における個別の遷移問題に対する計算複雑さ解析を推し進めることにより,計算複雑さ分類への足掛かりとする.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナウィルスの影響により,国際学会等がオンラインによる開催となったため,予定通りに旅費を執行することができなくなったため. 使用計画:旅費以外の予算については予定通りに執行をする.旅費に関しては,特に国際的な移動が容易になった際に執行する.
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