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2021 年度 実施状況報告書

マルチパーティ計算における大小比較アルゴリズムの効率化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K17704
研究機関京都大学

研究代表者

岩崎 淳  京都大学, 情報学研究科, 助教 (70789958)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードマルチパーティ計算 / 秘密分散
研究実績の概要

情報を複数のサーバに分散して保存し(秘密分散),分散された状態を保ったままサーバ同士が協調して計算を行う秘密分散に基づくマルチパーティ計算は,情報セキュリティ上有用であり,近年実用化されつつある.マルチパーティ計算において,それぞれが分散して保存されている2つの数の大小を比較する大小比較アルゴリズムは基本的で不可欠なパーツであるが,一般的に計算速度の面でボトルネックとなる.マルチパーティ計算ではサーバ間の通信に時間を要するので,通信を削減することがアルゴリズムの設計上重要になる.本研究においては,実用的な通信量の範囲内でラウンド数(並列化されない通信の回数)をより削減した大小比較アルゴリズムの開発を目的としている.
事前研究および令和3年度の研究においては,以下の成果を得た.一点目は,大小比較する数のビット長の二乗に比例する通信量を要するものの,4ラウンド(オンラインフェーズは1ラウンド)で実行可能な大小比較アルゴリズムである.
なお,ラウンド数をカウントする場合は,通常,慣例的に積演算のみを考慮するが,先行研究においてそれ以外の演算も含めてカウントすべき旨の指摘がある.積演算以外も含めた場合の開発手法のラウンド数は,4ラウンド(オンラインフェーズは1ラウンド)である.二点目に,大小比較アルゴリズムでパーツとして用いられているマルチパーティ計算で与えられた数のべき乗を求める新たなアルゴリズムを開発した.
開発したアルゴリズムは,よく知られている既存のアルゴリズムと同じく3ラウンド(積演算以外も考慮すると5ラウンド)で実行でき,要する通信量が既存アルゴリズムの5分の1程度である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

健康面の不調により,研究に十分取り組めていないため.

今後の研究の推進方策

これまでに得た少ない通信量でべき乗を計算するアルゴリズムを組み込み,より少ない通信量・ラウンド数で実行可能な大小比較アルゴリズムを開発する.

次年度使用額が生じた理由

体調不良のため予定より研究が進まず,次年度使用額が生じた.
研究成果の発表等に使用する予定である.

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公開日: 2022-12-28  

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