研究課題/領域番号 |
21K17715
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
梅津 佑太 長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (60793049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | スクリーニング / カーネル法 / 加法モデル / 一般化線形モデル / 正則化法 |
研究実績の概要 |
変数間の関連性を検出するためのスクリーニングはシンプルな方法でありながら, 高次元データ解析においても有用であることが多い. 本研究では, 特に非線形の関連性を検出するための手法の開発を目的としている. 研究方針の発想は, 線形の関連性を検出するための手法が, ある種の制約付き最小化問題と等価となることに着目する. そして, その目的関数や制約を非線形モデルに拡張する事で, 自然に非線形の関連性を検出できる手法を開発できる. 本年度は, 主に2つの拡張について考えた. 1つ目は, 背後に加法モデルを考え, カーネル法を用いて周辺回帰関数を推定する事で, 目的変数と説明変数の関連性を検出するものである. 2つ目は, 一般化線形モデルへの拡張である. この拡張は, 直接的には非線形の関連性を捉えるものではないが, 一般化加法モデルやその他の非線形モデルへ拡張するためのファーストステップと考えられる. いずれの方法も, スクリーニングの対象となる集合を高確率でうまく検出できるという, 理論的な保証を与えるとともに, 数値実験を通してその有用性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であったカーネル法を用いたスクリーニングの拡張については, その有用性についても確認済みであり, 現在, 論文として準備中である. この方法は線形回帰モデルを拡張したものであり, したがって, 目的変数は連続量であることを考えている. そのため, 目的変数が2値であるような分類に対しては別の方法を考える必要がある. そのための第一歩として, 一般化線形モデルに対するスクリーニングについても考察できたため, おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
まずは本年度の成果を論文としてまとめる. また, 本年度の結果を受け, 一般化線形モデルをベースに, 目的変数が連続量でない場合の非線形回帰モデルに対してもスクリーニング手法の開発を目的とする. 具体的には, 一般化加法モデルを考えることで, 本年度と同様の考え方で, 新たなスクリーニング手法を提案する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響もあり, 海外での国際会議への参加を控えたことによる. また, 国内でのセミナーや学会に関しても, 現地開催はなく, オンラインでの参加が多かったことも理由である. 結果として, 数値実験を円滑に行うための計算機を購入した. 次年度は, 本年度に開発した手法に対する議論を求めた国内外での成果発表を予定している(国外旅費: 600千円, 国内旅費: 300千円). それ以外では, 書籍や謝金, 国内のワークショップで会場借料などで使用することを計画している(書籍: 180千円, 謝金: 60千円, 会場借料等: 150千円).
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