研究課題/領域番号 |
21K17716
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
渡邉 弘己 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20839922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高次元データ / ファクターモデル |
研究実績の概要 |
本研究はマイクロアレイデータなどに見られるような最初の数個の固有値が極めて大きい高次元データに対しても、精度を損なうことなく統計解析が行える手法を開発することで、高次元データを扱う多くの応用分野の発展に寄与することを目的としている。 2021年度においては研究計画書に沿って、「研究課題(A)不等分散を仮定した下で、平均ベクトルの同等性検定における検定統計量の漸近分布を導出し、それを利用した検定を提案する」について研究を進めたが、この研究については関連する研究は既に存在することが判明した。また、等分散が仮定できる下での平均ベクトルの検定手法については既に存在していることが分かっていたため、この検定手法につなげることが出来るように「研究課題(C)共分散構造に関する検定問題の検定統計量の漸近分布を導出し、それを利用した検定を提案する」について先行して研究を進めることにした。 共分散構造に関する検定として、ファクターモデルを仮定したものではないが、高次元データに対する一般化分散の同等性に関する検定手法について結果を得ることが出来た。また、ファクターモデルの下での判別分析法の開発も研究課題であるため、これにつながる研究として、高次元判別分析におけるkick-one-out法を用いた変数選択法についても結果を得ることが出来た。これらの研究成果を踏まえ、ファクターモデルに対応した研究実績が得られるように研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大や、大学を異動する準備等を行ったため、予定通りの研究打ち合わせや学会参加等が出来ず、ファクターモデルに関連する研究成果が得られていないためである。
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今後の研究の推進方策 |
不等分散を仮定した平均ベクトルの同等性検定に関連する研究は既に存在するため、ファクターモデルを仮定した共分散構造に関する検定問題について先行して研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、予定していた研究打ち合わせや学会参加に係る旅費が執行できなかったことが主な理由。2022年度は大学を異動したことにより研究環境を整備する必要がある。そのため、シミュレーション用のパソコンやシミュレーション用ソフトウェアを購入する。また、2021年度に執行できなかった分の旅費にも充てる。
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