研究課題/領域番号 |
21K17716
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研究機関 | フェリス女学院大学 |
研究代表者 |
渡邉 弘己 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20839922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高次元データ / ファクターモデル |
研究実績の概要 |
本研究はマイクロアレイデータなどに見られるような最初の数個の固有値が極めて大きい高次元データに対しても、精度を損なうことなく統計解析が行える手法を開発することで、高次元データを扱う多くの応用分野の発展に寄与することを目的としている。 2023年度においては、研究計画調書の計画では「研究課題(C)共分散構造に関する検定問題の検定統計量の漸近分布を導出し、それを利用した検定を提案する」に関する研究を遂行する予定となっていた。この研究計画通り、関連する分野の研究者と研究打ち合わせを実施し、シミュレーション用PCを購入することで、当該研究を進めることができ、研究成果を欧文誌に投稿することが出来た。 当該論文では、少数の潜在因子を含んだ高次元データの枠組みで標本サイズと次元数が共に大きい場合における、2つの共分散行列の等質性を議論するための検定方式を提案している。検定統計量に使用するフロベニウスノルムの推定量の不偏性と一致性を証明し、これを含んだ検定統計量の帰無漸近分布が、とある重み付きカイ二乗分布の和で表現できることを証明した。また、局所対立仮説の下での漸近分布の性質も証明することで、この検定における検出力についても議論している。さらにモンテカルロシミュレーションにより、漸近帰無分布が漸近正規する検定統計量を用いた先行研究よりも第1種の過誤確率が適切に制御されており、検出力も劣らないことが確認できた。当該論文で、マイクロアレイデータを用いた実データ解析についても紹介することで、検定手法の実用性も示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の予定通り、ファクターモデルを仮定した高次元データに対する共分散構造の検定について研究を進め、研究成果を欧文誌に投稿するに至ったため。今後は投稿論文が掲載されるようにリバイズを行うとともに、ここまでの研究成果を資として、別テーマに取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に遂行予定のファクターモデルを仮定した高次元データに対する判別分析法の提案に着手する。あるいは、ファクターモデルをモデルを仮定したデータに対するその他の検定手法や多変量解析手法の提案について研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の研究者との研究打ち合わせや、国際学会に参加できなかったことが主な理由である。次年度は海外も含めた各種学会での学会発表に使用する予定である。また、数値シミュレーションが想定以上に大規模になっているため、新たなシミュレーション用PCの購入も検討する。
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