近年のソフトウェア開発では,短期間で品質の高いソフトウェアを開発することが求められている.ソフトウェア品質を向上させるためにリファクタリングが広く実施されているが,リファクタリングは多大な時間と労力を要することが多く,開発期間が短く限られている場合は敬遠される傾向にある.開発者にリファクタリングを躊躇させる心理的要因の一つが「リファクタリングによるテストスイートの破壊」である.本応募課題では,どのようなリファクタリングがテストスイートを破壊するかを分析し,リファクタリングによるテストスイートの影響範囲および必要修正箇所の特定技術を確立する. 本年度では,提案アプローチの実用性を評価するために,オープンソースソフトウェアプロジェクトからソフトウェア開発データを取得し,リファクタリングによって破壊されたテストスイートの補修工数と予測された工数の違いを評価した.また,テストスイートの自動修正ツールを作成し,テストスイートを破壊しやすいADD PARAMETERSリファクタリングにより破壊されたテストを修復できることを確認した.
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