研究課題/領域番号 |
21K17732
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小谷 大祐 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (70783059)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Programmable Networking / SDN / Identity |
研究実績の概要 |
今年度は、クラウドのデータセンターネットワークを想定してこれまで検討・開発してきた、パケットに対してパケットの送信元・送信先のホスト等のアイデンティティを元にIdentifierを付与し、それに基づきネットワークアクセス制御を行うシステムについて、評価方法の検討と開発と成果の公表準備を行なった。評価については、検討の結果、大規模な環境においてシステムの性能を計測しなければ有意性は見られないことから、そのような環境における計測手法について検討を進めた。また、大規模な環境で実験を行うには既存のミドルウェアと組み合わせたほうがやりやすく、また成果展開をしやすいことから、kubernetesのcontrol planeに統合できるようにする方針で、システムのcontrollerの部分をkubernetesのcontrollerとしても振る舞うように設計・検討を進めている。成果の公表についてはプレプリントとして公表するとともに、国際会議に投稿した。 本研究課題のもう一つの対象の適用領域であるキャンパスネットワークについては、これまでクラウドのデータセンターネットワークを想定して設計したものを応用する予定であるが、実際にパケットを処理するデータプレーンはより高性能なものを利用する必要があることから、これまで実装していたシステムのうち、パケットの処理を行う部分を、これまでのeBPFに加えP4も利用できるよう、P4の調査や実装、およびP4での実装に向けた設計等を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題のベースとなる部分について、論文の採録には至っていないもののプレプリントの公表等はできており、一定の進展が見られる。また、拡張についても検討が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、プレプリントとして公表している部分について、論文として採録されるように改良していく。また、研究実施計画に基づき検討・実装・評価を進め、知見がえられたものから順次発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に物品を既存のもので代用することができたために次年度使用額が生じた。一方、今後購入を予定している高速なネットワーク機器は半導体不足や円安の影響で当初の想定より費用がかかる見込みであり、その費用に充てる予定である。
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