研究実績の概要 |
本研究の目的であるGraph Neural Networkに基づく生成モデルを用いた自動補完アルゴリズムの開発について,3つのサブテーマのうち「①ユーザの編集を感知できるグラフ自動補完と補完結果のランキング」と「③システムとしての実装及び評価」を中心に取り組んだ.
「①ユーザの編集を感知できるグラフ自動補完と補完結果のランキング」については,研究背景の調査及び創薬における分子特性最適化問題の分析に取り組んだ.分子特性最適化問題は,薬剤の効果を最大化するための非凸最適化問題であり,薬剤の特性に関するデータを収集して,最適な薬剤を設計するために使うことがわかった.その知見を踏まえ,GNN (Graph Neural Network)とMCTS (Monte Carlo Tree Search)を組み合わせたアイデアにより,分子生成においてユーザの意図をリアルタイムで反映できる手法を提案した.さらにユーザの編集操作を『add, adopt, erase, replace』で構成されたシーケンスと定義し,ユーザの嗜好をMCTSに反映する方法を提案した.ユーザの好みを知るために,操作から嗜好を把握するために,テキスト検索の分野で用いられているtext query reformulationの考え方に触発され,graph query reformulation操作でMCTSの挙動を左右するheuristic関数を提案した.
「③システムとしての実装及び評価」については,ウェブ開発フレームワークFlaskを利用しRestfulなウェブアプリケーションを開発し,北海道大学学内のネットワークで公開し,実証実験を行った.
|