自由空間フルカラー体積映像描画の実現に向けて,空気中に生成されたフェムト秒レーザー励起ボクセルの光散乱特性を評価した.空気中でボクセルを励起する光源と着色する光源の検討を通し,波長515nmフェムト秒レーザーの集光照射で得られるボクセルのスペクトルと色,形状を同時に観察できる光学系を構築した.これらの評価から,ボクセルの色が入射光の偏光状態と波長に依存することが分かり,これまで発光型として利用されてきたレーザー励起空中ボクセルの,光散乱型としての利用可能性を示した.さらに,励起パルスと着色パルスに任意の時間差を与えることができるダブルパルス光学系へ拡張し,光散乱強度の増強を検討した.また同時に,映像サイズを拡大するためにふたつの光路を連携動作させる描画手法も検討し,センチメートルオーダーの体積映像を実現した.
|