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2021 年度 実施状況報告書

衝撃発電素子を用いた無電源ウェアラブル行動認識技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K17790
研究機関神戸大学

研究代表者

大西 鮎美  神戸大学, 工学研究科, 助教 (10869142)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードウェアラブルコンピューティング / 環境発電 / 行動認識
研究実績の概要

本年度は,様々なコンテキストを無電源で認識することを目指し,衝撃発電素子が埋め込まれたシューズで得られた発電情報から機械学習を適用して,(1)足裏圧力を推定する手法と(2)路面種別を推定する手法を提案,評価した.(1)足圧推定手法では.被験者1名を6km/hで90秒歩行させ,得られたデータを用いて2分割交差検証を行った結果,MAEは平均10.1 kPaであった.時系列の推定結果をみると,1歩ごとの足圧の外形はある程度とらえられていたが,被験者を増やした検証が必要である.(2)歩いている路面種別の推定手法では,バリアフリーマップの自動生成への応用を目的として,平坦なアスファルト,砂利道,芝生,階段上り/下り,坂道上り/下りの合計7種類の路面を推定対象とし,被験者5名に対し各路面両足200歩分5セットの歩行データを取得した.路面によって異なる発電波形が観測され,得られたデータを用いた試行間交差検証の結果,被験者自身の別試行のデータを学習させた場合の平均F値は0.64であった.芝生の推定精度は0.89と高かったが,砂利道は一歩ごとの推定精度は0.31と低く,過去の推定結果や複数人数分の推定結果を加味した推定手法を考案する必要があることが示唆された.2種類の推定手法のうち,足圧推定の実験はCOVID-19の影響もあり被験者を十分に集められなかったが,路面種別の推定に関して被験者を集めた評価実験を進められ,提案手法である程度路面種別を推定できることが示された.実験を進めるなかでシューズに埋め込んだ発電素子の耐久性を高める必要があることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2種類のコンテキスト推定手法のうち,足圧推定の実験はコロナの影響もあり被験者を十分に集められなかったが,路面種別の推定に関して被験者を集めた評価実験を進められた.実験を進めるなかでシューズに埋め込んだ発電素子の耐久性を高める必要があることがわかった.

今後の研究の推進方策

全体に関して,ハードウェアの耐久性に問題があることが示唆されたため,新たな発電モジュールの開発に取り組む.まずは市販の環境発電素子を内蔵した小型モジュールを開発して発電情報を携帯端末に送信できるようにする.これをシューズに埋め込み,発電情報からの行動認識技術の開発を進めつつ,無電源化できるような省電力なデータ送信手法を検討して最終システムの開発を目指す.
また,昨年度十分に被験者を集められなかった(1)足圧推定の基礎的評価実験を進める.(2)の路面種別推定では,さらに認識精度を向上させるアルゴリズムの開発への着手と,推定結果を地図上にマッピングするシステムの作成を行う.

次年度使用額が生じた理由

前年度はCOVID-19の影響で人に対する評価実験が制限されたこと,学会が遠隔開催で会ったこと,物品の納品が遅れたことで使用額が少なかった.今年度はデバイス開発を行うため繰り越した金額をこれにあてる.また,現地開催の学会が徐々に増えていつが旅費の高騰が懸念されるため余分に費用がかかる可能性があり,これの補填にも充て,成果発表を積極的に行えるように論文投稿を行う.加えて,バリアフリーマップの作成に必要な凍結路面などの歩行情報を集める実験のための旅費に充てることを検討している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Sensor-Based Motion Analysis of Paralympic Boccia Athletes2021

    • 著者名/発表者名
      Ayumi OHNISHI, Tsutomu TERADA, and Masahiko TSUKAMOTO
    • 学会等名
      Proc. of the 24-th International Conference on Network-Based Information Systems (NBiS 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] 充電不要な発電モジュール搭載靴を用いた発電量に基づく路面状況推定手法2021

    • 著者名/発表者名
      國武 勇希, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦
    • 学会等名
      ユビキタスウェアラブルワークショップ (UWW2021) 論文集

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公開日: 2022-12-28  

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