研究課題
若手研究
本研究では、神経細胞が生じるスパイク信号などの局所情報から効率的に学習を進める神経情報処理モデルを構築し、音声信号処理に適用した際の性能評価を行った。報酬信号を考慮することで、スパイク信号の時間差のみから学習を行った場合よりも性能が向上することを示した。さらに、スパイク信号の時間差から重みの更新を行う専用回路を設計し、ソフトウェア的に実装した場合と比較して消費電力や面積を削減できることを示した。
神経工学
深層学習を始めとする従来の神経情報処理モデルでは、ネットワーク全体の活動を中央集権的に監視・統合し学習が成されることが大半であり、その結果計算コストが高く、多くの電力を消費する課題があった。本研究で提案したモデルは、神経細胞が生じる局所情報から学習を進められるうえ、専用回路により効率的に計算できるものであり、低消費電力の脳型デバイスの実現に貢献する。本成果は、神経情報処理の更なる普及や、現行の神経情報処理の応用の枠を越えた分野への応用に資するものである。