研究課題/領域番号 |
21K17830
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西川 鋭 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50761144)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ロボット / 物理的インタラクション / 対人ロボット / スキル / 人誘導 |
研究実績の概要 |
ロボットと人が触れ合う物理的インタラクションの際には物理的効果と安全性を両立させる必要がある。そのためには相手の性質を利用してうまく運動を誘導することで目標を達成することが重要と考えられる。本研究では、人と物理的に関わる状況で、人の性質を利用してうまく運動誘導することでタスクを実現するロボットの構成法を明らかにすることを目的とする。 本年度は基礎検討と今後の実験に向けた準備を主に実施した。以下に具体的な実施内容について記述する。 ・人の立位時の運動誘導として人と相対するロボットによる前方への引き出し動作を対象として実験を行った。ロボットとしては空気圧人工筋をアクチュエータとした筋骨格ロボットを使用した。事前の周期的な押し引き動作の有無や時間的予測の有無、引き動作のタイミングを変化させることで、人の立位時における前方への引き出しを有効に行えるロボットの介入方法について調査した。予測や事前動作の効果が示唆されたため、今後更なる調査を進めて運動誘導に適した動作生成法を明らかにしていく。 ・人との物理的インタラクションに使える他のハードウェアとして人に装着するロボットスーツの開発も進めた。スーツのアクチュエータには空気圧人工筋を用いており、軽量で安全に人への介入を行える装置になっている。卓球のフォアハンドスイングにおける下半身のひねり動作に適用し、スーツにより運動の変化を起こせることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットと人が触れ合う物理的インタラクションとしてロボットによる引き出し動作の実験を開始できており、今後調査を深めていく準備も整ったため。
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今後の研究の推進方策 |
ロボットを用いた被験者実験を通して、条件の比較検討により運動誘導に関わる要素について幅広く調査を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を素早く始めるために、既存の実験装置での実験を優先し、実験装置やロボットの改良に回す費用が抑えられたこと、COVID-19の影響で旅費が生じなかったことにより今年の使用額が抑えられ、次年度使用額が生じた。 次年度は、行った実験の結果に基づき、実験設備やロボットの改良に多く費用をかけ、また調査や成果の発表に関わる旅費の使用も見込まれる。
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