研究課題/領域番号 |
21K17834
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
秋月 秀一 中京大学, 工学部, 助教(テニュア) (40796182)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カテゴリレベル姿勢推定 / 位置姿勢推定 / 3次元点群 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ロボットの身体性に依存しない動作教示法を確立することである.一般的な動作の教示方法は,各関節の動きを直接指定する方法である.教示される動作パラメータは,関節数や腕の長さ,エンドエフェクタの仕様(これらをまとめて身体性と呼ぶ)に依存するため,他のロボットにはそのまま利用することはできない.一方で,操作される対象物に着目すると,把持される部位や持ち上げられた後の軌跡は共通性が高いと考えられる.したがって,従来の教示方法のように,“ロボットがどのように動くべきか”を教示するのではなく,“対象物がどのように動かされるべきか”を教示することによって,複数ロボット間の身体性の違いに依存しない動作生成が可能になることを示す. 2021年度は,人によって操作される物体の3次元的な位置姿勢を推定する方法の検討である.特に,対象物と完全に同一の3D形状モデルを用意できない場合においても正確な位置姿勢推定可能な手法について研究を進めた.結果として,同一の物体カテゴリの複数の3D形状モデルをもとにして,任意の形状モデルを生成するActive Shape Models(ASM)を生成し,カメラで撮影した対象物の3D形状を復元するために必要なASMのパラメータと位置姿勢を推定する深層学習モデルを提案した.この研究成果を国内シンポジウム1件,国際会議1件で発表した.内1件は,コンピュータビジョン分野の有名会議であるBritish Machine Vision Conferenceである.さらに研究成果の広報の観点から,関連する一部のソースコードの公開をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標であった物体の位置姿勢推定技術の研究が予定通り遂行でき,研究成果を有名会議にて公表できたため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,研究計画通り,時系列動作ログデータフォーマットの策定とDB作成について進める.具体的には,道具を操作する人間の動きをモーションキャプチャ装置によって取得し,動作軌跡の共通部分を分析する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の実支出額(A)では,学会が完全オンライン開催になったことに伴って旅費が発生しなかった等の影響と,購入したロボットアームが当初の見積もりより安価であったことから未使用額が発生しました.次年度については学会の対面開催が増えることや,計算機環境の拡充の必要があることから,これらのために,次年度使用額を活用しようと考えています.
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