研究課題/領域番号 |
21K17838
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
江藤 亮輔 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 講師 (20761480)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 含水比 / LiDAR / ガウス過程 |
研究実績の概要 |
建設作業や農作業のロボットによる自動化のためにはロボットが効率よく移動や作業をする必要がある.建設作業や農作業では土を扱うため,土の含水量によっては走行性の低下,土の付着等により効率が低下する.土の含水量が推定できれば作業効率を向上することができる.本研究では,ロボットに一般的に搭載されている可視光カメラやLiDARの取得データから土の含水量を推定することを目的としている.
2021年度は,豊浦砂,火山灰,真砂土を対象としてLiDARの受光強度,照射角度と土表面の含水量の関係を室内実験により明らかにした.各土に対して得られた関係からガウスカーネルを用いたガウス過程回帰により含水量推定モデルを構築した.さらに,可視光カメラのRGBデータも考慮することで,土の種類に関係なく含水量を推定するモデルを構築した. 次に,構築したモデルが実用可能か確認するため,移動ロボットにLiDARを搭載して屋外で含水量推定実験を実施した.実験では,含水量を調整した火山灰上を走行しながら受光強度と照射角度を取得した.取得データから推定した含水量は炉乾燥法により測定した含水量と概ね一致することが確認できた.しかし,屋外では含水量を過大に推定する傾向がみられた.そこで,太陽光の影響を調査するために疑似太陽光照明を用いて室内実験を実施し,LiDAR受光強度と太陽光の影響の関係を取得した.また,土を温めた状態で実験を行い,温度と受光強度の関係を取得した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に計画していた波長900nmのLiDARの受光強度,照射角度と土表面の含水比の関係は概ね取得できた.780nmのLiDARについては,納品に時間がかかったため2022年度に実験を行う予定である.一方で,2022年度に計画していた推定モデルの構築,可視光カメラデータの活用,屋外実験を今年度に一部実施することができた.研究の遂行順序は多少前後したが,概ね順調に進んでいると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では,波長780nmのLiDARについて光強度,照射角度と土表面の含水比の関係を取得する.得られた結果や赤外線カメラの輝度値と波長900nmのLiDARのデータを合わせて推定モデルを構築することで精度の向上を目指す.構築したモデルは移動ロボットを用いた屋外実験により推定精度を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が発生した理由は,(1) 半導体不足の影響により購入物品を変更したため,(2)学会がオンライン開催になり旅費を使用しなかったため,の2点である.次年度では,研究遂行のための物品購入,情報収集・研究発表のための旅費,参加費として使用する予定である.
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