研究課題
若手研究
本研究の目的は,LiDARの受光強度を利用して土壌表面の含水比を推定する手法を開発することである.まず,豊浦砂,火山灰,真砂土を対象として室内実験によりLiDARのレーザ照射角度,含水比とLiDAR受光強度の関係を計測した.得られたデータからガウス過程回帰により含水比推定モデルを生成した.本モデルは室内実験では,推定値が誤差±5ポイント内に収まった割合は70%から98%であった.また,実際にクローラロボットにLiDARを搭載して行った屋外実験では誤差±2~4ポイントでの推定を実現できた.
ロボット工学
非接触での含水量推定は2波長の近赤外光の受光強度を用いて推定されている.しかし,使用される波長は1500 nm付近や2000 nm付近のものであり高価なセンサが必要であった.本研究の提案手法は,近年無人ロボットに搭載されているLiDARの受光強度のみを用いて土壌含水量を推定するものである.そのため,ロボットの周辺土壌の含水量を推定するために新たに高価なセンサを必要とせず,ロボットの簡素化,低廉化に貢献できる.