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2021 年度 実施状況報告書

心の働きを自然に伝える遠隔コミュニケーション支援インタフェースの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17841
研究機関群馬大学

研究代表者

松野 省吾  群馬大学, 情報学部, 助教 (60836245)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード視線計測 / コミュニケーション支援 / 対話インタフェース
研究実績の概要

本研究では,遠隔・仮想空間におけるコミュニケーションの質的な向上を目指し,非言語情報によるインタラクションを感性情報によって活性化するコミュニケーション支援インタフェースの開発を目的としている.具体的には,ユーザの視線と瞬目の情報を捉え,コミュニケーションにおける話者の感性情報の表出を計測することで,遠隔コミュニケーション時に欠落してしまう非言語インタラクションの復元を試み,情報の相互共有を促すシステムの構築を目指す.このようなシステムの要素技術として,視線計測と瞬目種類の検出と識別が必要となるが,これらのうち瞬目種類の識別について,研究代表者は実用的な方法を既に開発しており,本研究では話者の感性情報の表出と,視線移動や瞬目の生起の関係性について研究を進めている.
視線移動や瞬目は数百ミリ秒で一連の動作を完了する比較的高速な生理現象である.そのため,専用の計測機器(アイトラッカー)を使用して,コミュニケーション時における話者の視線移動を高時間分解能で記録することで,感性情報を推測するための基準となるパラメータの調査を進めている.このとき,研究代表者らの開発した瞬目識別アルゴリズムとアイトラッカーの提供するAPIを組み合わせることで,特定の動作を自動的に計量するソフトウェアの開発を行い,本研究で構築する計測環境であっても視線計測と瞬目識別の自動計測が可能であることを予備実験により確認している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,視線移動の計測機器として視線計測機能を持ったヘッドマウントディスプレイを用いて実験を行う予定であったが,近年飛躍的に利用が促進されているビデオ対話を含む,より広い対話のシチュエーションを対象とした実験を行うために,ウェアラブル視線計測計を用いた実験を追加した.これに伴い,研究費の前倒し申請を行ったほか,世界的な半導体不足の影響により計測機器の調達が遅れたために,実験の実施計画が後ろ倒しとなった.一方で,既に開発している計測アルゴリズムを本研究で利用するための修正や,計測の予備的実験などを実施し,基礎的な計測システムとして来年度以降の研究において活用できるように環境を整えた.

今後の研究の推進方策

本年度の研究成果として,アイトラッカーを用いた視線移動と瞬目種類の自動的な識別と計量をできるようになった.本研究の目標である,非言語情報によるインタラクションを感性情報によって活性化するコミュニケーション支援インタフェースを開発するには,この計測システムを使用して感性情報の表出と計測された視線パラメータの関係性を紐付ける必要がある.そのため,今後は遠隔コミュニケーションを想定した実験室実験を実施し,対面におけるコミュニケーションと遠隔チャネルによるコミュニケーションの差異を明らかにしたい.その上で,感性情報の表出に関係性の高いパラメータを抽出し,非言語インタラクションの活性化に繋がるフィードバック方法を検討する予定である.

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会発表を実施しなかったため,今年度計上していた学会参加費と旅費を使用しなかった.未使用の旅費の大部分は,前倒し支払い請求による経費と共に調達した計測機器の購入費用に充てたが,未使用の次年度使用額については,今年度に実施しなかった学会発表を来年度以降に実施するための費用として使用する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 水平作業台ディスプレイにおける作業者の注視点推定システム2022

    • 著者名/発表者名
      山田 孟, 杉 正夫, 長野 真大, 中嶋 良介, 仲田 知弘, 松野 省吾, 岡本 一志, 山田 哲男
    • 雑誌名

      日本設備管理学会誌

      巻: 34 ページ: 8-14

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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