研究課題/領域番号 |
21K17848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
横川 大樹 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80779869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 診断推論 / 自然言語処理 / Word2Vec / 分散表現 / 埋め込みベクトル / 疾患間距離 / 抄録 / 医中誌 |
研究成果の概要 |
疾患を診断する方法(診断推論)の習得を支援したり代替するシステムのうち、実際の医療の現場で使用できるものはない。作成には疾患同士の類似度(疾患間距離)の計算が有用と考えた。医学中央雑誌の1842156件の抄録をWord2Vecにより学習し、疾患を表す単語の分散表現(疾患ベクトル)を獲得し、距離の算出に成功した。 ICD-10(国際疾病分類第10版)と一致する疾患ベクトルは8031個(ICDコードは3915種類)だった。コーフェン相関係数の最大値は0.7748だった。ICDコードとの調整ランド指数、正規化相互情報量、調整相互情報量の最大値は0.3208、0.8783、0.4242だった。
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自由記述の分野 |
自然言語処理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疾患間距離を医学文書から計算することで、主観的な経験則に基づく疾患想起から、客観的な距離に基づく疾患想起への転換が可能になる。医師の経験は収斂され分散表現へと置き換わり、普遍的で汎用性が高い距離データを得られる。これは診断推論の「疾患想起のプロセス」をAIに置き換え、自動診断システムや診断支援システムの開発への第一歩となる。これらのシステムは、自宅で病院へ行くべきか判断する際のサポートツールとなり、医療費削減や医療の質の均質化に貢献し、悲劇的な誤診や見逃しを削減する可能性がある。日本語に基づいたAI診断支援システムを作成するためには、日本独自の研究が必要で、本研究はその基盤となる。
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