研究課題/領域番号 |
21K17861
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
原川 良介 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (20787022)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マルチモーダル解析 / クラスタリング / グラフ理論 / 複雑ネットワーク / 情報検索 |
研究実績の概要 |
2021年度は,「研究の目的」および「研究実施計画」に示した【項目1:欠損モダリティ補間を備えた潜在特徴抽出とグラフクラスタリングの同時最適化技術の構築】と【項目3:グラフクラスタリングの検索への応用】を実施した.項目1については,異なる種類の特徴(画像特徴やテキスト特徴等)の関連性を最大化するとともに,情報検索の精度も同時に高める潜在特徴抽出理論を構築した.より具体的には,multivariational autoencoderにおけるKullback-Leiblerダイバージェンス規準に対して,triplet loss規準を新たに導入して同時に最適化するpersonalized multivariational autoencoder (PMVAE) を導出した.これにより,従来よりも高精度に,検索目標のコンテンツとそれ以外のコンテンツを弁別する潜在特徴が抽出可能となった.項目3については,ソーシャルメディアに投稿されたコンテンツのパーソナライズド検索(全員に同じ結果を提供するのではなく,各々のユーザに適した結果を提供する検索)を実現した.より具体的には,Tumblrというソーシャルメディアに投稿された,画像とテキストから成るコンテンツに対して,新たに構築したPMVAEを適用した.その結果,異なる種類の特徴の関連性だけを最大化する従来法よりも,PMVAEを用いた場合の方が,より高精度に各ユーザが求める検索結果を得られることが明らかになった.以上の研究成果をまとめ,査読付き学術論文誌(1件),査読付き国際会議(3件),国内学会(2件)の対外発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上述の項目1は2022年度までに,項目3は2023年度に実施予定の内容であるが,2021年度中に先行して一部の成果が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降も,当初の研究計画の通り,理論構築と有効性検証を行い,成果発表に繋げていく予定である.2021年度中に先行して一部の成果が得られた項目についても,さらなる高精度と適用対象の拡大を図る予定である.
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