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2021 年度 実施状況報告書

学習者とのインタラクション機能を活用した学習ログ分析収集機構の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17864
研究機関九州大学

研究代表者

峰松 翼  九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (00838914)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードラーニングアナリティクス / デジタル教科書 / 推薦システム
研究実績の概要

デジタル学習環境を通して,学習者の学習行動履歴を収集し,エビデンスベースで学習状況の把握が行われ始めている.学習状況の把握には,学習内容のメモや電子教科書の文章に残すマーカといった学習者自身の考えを反映した積極的な行動の履歴が有用となるが,積極的に学習行動を残さない学習者(パッシブラーナー)が一定数存在し,現状の受け身型のセンシングシステムでは全学習者の詳細な学習状況の把握は困難な状況である.本年度はパッシブラーナー検出のための学習者行動の分析と学習者に学習履歴を残すよう促すシステムの開発を行った.
パッシブラーナー検出のための学習者行動の分析では,今年度実施されたオンライン講義で利用された電子教科書閲覧システムを対象に,各学習者のマーカを引いた数など電子教科書の機能を利用した回数の集計を行った.その結果,あまり利用していない学生が観測されたのと同時に,学習者ごとに利用している機能の偏りが観察された.また,学習者の行動分析を活用したカンニング検出への適用を行い,当該内容はLAK22で報告した.
学習者に学習履歴を残すよう促すシステムの開発では,リアルタイムに学習者のこれまでの学習行動の履歴を集計し,学習者の閲覧状況に応じて,学習者が行っていない行動を提示するシステムを開発した.例えば,学習者があるページを長時間閲覧していれば,何らかの躓きがあると判断し,マーカを引くことや教員にわからないことを通知するボタンを押すことを促す通知をだす.当該システムを実際の講義に適用した結果,わからないことを通知するボタンを利用する学生の増加につながる結果が得られた.一方で,より効果的に通知するためのデザインが必要であるアンケート結果が得られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は学習者の行動分析に基づいた学習行動を促すシステム開発のプロトタイプの実装と初期評価を行った.次年度からの本格的な手法改善および評価の取り掛かりとして十分であると考え,上記の自己点検による評価を行った.

今後の研究の推進方策

令和3年度の研究期間で,学習者のへの促すシステムのプロトタイプの開発と初期検討を行った結果,システムの改善方針につながる結果を得た.一部の学習行動の増加は見られたが,研究の目標に達するものではなかった.その原因として,提示段階における動機付けや学習者自身がシステムに触れる時間の短さにあると考えられる.今回のシステムでは,電子教科書の各ページを学習者が読んでいるときにピンポイントで促しを提示しており,講義時間内では電子教科書を使うことを促していたが,講義時間外では学習者の裁量に任せていた.講義時間外でシステムに触れる機会を増やす環境づくりを同時に考えることで,システムからの通知の影響を増加できると考えられる.本年度は,講義時間外での利用を考慮したシステムづくりを考えていく.また,システムのUIの改善を行うことで,システム外観の改善を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスの影響で,国際学会参加のための渡航が困難であったため,次年度使用額が生じた.今年度の成果を報告するための英文校正費および渡航費に利用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Can Learning Logs Be Useful Evidence in Cheating Analysis in Essay-type Questions?2022

    • 著者名/発表者名
      Tsubasa Minematsu, Atsushi Shimada
    • 学会等名
      The 12th International Conference on Learning Analytics & Knowledge (LAK22)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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