研究課題
若手研究
本研究では、沿岸域(相模湾西部)および外洋域(北太平洋西部, 南太平洋東部)において調査を実施し、海洋表層(海表面マイクロレイヤーを含む)における環境要因(水温, 有機物濃度 など)、溶存CO濃度、CO消費速度を測定するとともに、海洋性CO酸化菌の群集構造・系統解析用の遺伝子(DNA, RNA)試料を採取した。本研究で採取した遺伝子試料を用いた海洋性CO酸化菌の群集構造・系統解析に加えて、公開されている海洋の全球的なメタゲノムデータを用いた解析について検討した。
海洋微生物生態学
一酸化炭素(CO)は間接的な温室効果ガスであり、一般的に、海洋から大気に放出されている。海洋表層における細菌によるCOの代謝(酸化)は、有機物が少ない海洋表層に生息する従属栄養性の細菌にとって有益なエネルギー獲得方法の1つであるだけでなく、海洋から大気へのCOの放出およびそれによる大気の温室効果の上昇を抑制することを意味する。したがって、海洋性CO酸化菌の系統・群集構造・生態を明らかにすることは、海洋生態学および生物地球化学において重要な課題である。