研究実績の概要 |
「研究の目的」:本研究の目的は,i) 南太平洋およびインド洋における微量金属9元素(Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb)の溶存態,全可溶態および置換活性粒子態の鉛直断面分布を明らかにすることである.ii) GEOTRACESのクックブック採用された海水中微量金属の分析に紫外線 (Ultraviolet, UV) 照射が微量金属9元素濃度に及ぼす影響を調べる.iii) 酸添加してから分析までの保存時間の検討. 1.南太平洋における微量金属9元素の全深度スペシエーションと鉛直断面分布:令和3年に南太平洋の試料の再濃縮を完了した.令和4年に,太平洋全体の南北断面分布を解明した.9元素の中,従来スキャベンジ型に分類されたAl, Mn, Co, Pbの供給源と熱水プルームからの影響を明らかにし,論文にまとめた (Zheng et al., 2022).今は,従来栄養塩型に分類されてきたCd, Ni, Zn, Cu, Feの分布を論文にまとめ投稿中である. 2.UV照射の最適条件およびサンプルの保存時間の検討:令和4年に駿河湾で採取された海水をろ過し,酸添加してからの保存時間を調べた,また,サンプルを採取日から104日後,430日後でそれぞれUV照射1h, 2h, 4hの結果を調べた.その結果,駿河湾の海水をpH ~1.8まで酸添加してから,微量金属9元素の濃度は最短295日で1%以内安定する.その結果を論文にまとめる予定である. 3.白鳳丸KH-22-7西北太平航海に参加:令和8月:白鳳丸KH-22-7西北太平航海に参加し,海水試料を採取した.
Zheng, L., T. Minami, S. Takano, and Y. Sohrin (2022), Geochim. Cosmochim. Acta, 338, 105-120.
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