ミミズの活動が土壌CO2放出を促進させるのか抑制させるのかについては、相反する結果が示されており、結論が得られていない。本研究の結果、ミミズ活動後の土壌では、培養初期にCO2放出を促進するが、培養150日以降にCO2放出が抑制されることが示された。この結果は、ミミズによる土壌有機炭素の分解・貯蔵機構を理解するためには、短期的な評価では不十分であり、長期的な評価が必要であることを示している。土壌有機炭素含有量が多い森林土壌は、気候変動に対する応答性が高いと考えられ、このような土壌を対象にミミズが土壌有機炭素に与える影響を評価することは、地球温暖化の予測や緩和策の検討において重要となる。
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