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2021 年度 実施状況報告書

環境化学物質の曝露による母体血ミトコンドリアDNA量の変化と次世代への影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K17891
研究機関北海道大学

研究代表者

福永 久典  北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (50781267)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 次世代影響 / 環境化学物質 / DOHaD
研究実績の概要

ミトコンドリアは、独自のゲノム(mtDNA)を有しており、ヒトの場合、16,569塩基対の環状多コピーゲノムとして一細胞当たり数十~数千コピーが存在し、母性遺伝する。しかし、このmtDNAコピーの複製・維持機構に関する分子メカニズムや、その生理的・病理的意義は依然として解明されていない。そこで本研究では、mtDNAコピー数がどのように遺伝継承され、母の妊娠中の環境影響などにより子のmtDNAコピー数がどのように修飾され、出生時体重などに影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。
本研究開始後、当初予定を変更して、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)の分譲制度を活用することにした。具体的には、ToMMo三世代コホート調査の参加者である7人家族(父方祖父母、母方祖父母、父母、子)の158組から得られた、分譲可能な情報とされている調査票(母の妊娠前BMI、喫煙などの生活習慣、在胎週数等)、血液学的検査結果(血球計算、白血球分画等)、新生児体格(出生時体重等)、そして分譲可能な試料とされている参加者のDNA検体を用いることにした。そして、ToMMoから分譲されたDNA試料について、定量リアルタイムPCRを行い、核DNA(nDNA)を基準とした相対的なmtDNAコピー数の測定を開始した(mtDNAとnDNAのCt値の差からmtDNAのコピー数を相対定量にて算出を行う)。
今後、mtDNAコピー数の評価を行い、三世代にわたる遺伝様式を詳細に検討するとともに、妊娠中の環境化学物質曝露が新生児の出生時体重などに及ぼす次世代影響について解析を行う。そのために必要となる試料・情報については全ての収集がすでに完了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の予算執行により東北大学東北メディカル・メガバンク機構から順調に分譲が行われ、2021年度中に本研究の遂行に必要となる試料・情報について全ての収集が完了した。そして、対象のDNA検体からmtDNAコピー数の測定が順次開始されている。2022年度中に測定が終了し、三世代にわたる遺伝様式を詳細に検討するとともに、妊娠中の環境化学物質曝露が新生児の出生時体重などに及ぼす次世代影響について解析を開始できる見込みである。したがって、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2022年度は対象のDNA検体からmtDNAコピー数の測定を進める。また、コピー数の評価が終わった検体から、順次、さらなる解析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

東北大学東北メディカル・メガバンク機構から分譲されたDNA検体数が見積時よりわずかに少なくなったため、分譲に係る経費として予定より低く抑えられた費用分を繰り越すこととなった。
2022年度分の助成金は、2021年度繰越金と併せて、mtDNAコピー数測定に要する試薬購入費、成果発表のための旅費、論文投稿費、オープンアクセスの費用などとして使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Mitochondrial DNA Copy Number and Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)2021

    • 著者名/発表者名
      Fukunaga Hisanori
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 22 ページ: 6634~6634

    • DOI

      10.3390/ijms22126634

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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