研究課題/領域番号 |
21K17920
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
稗貫 峻一 一般財団法人電力中央研究所, 社会経済研究所, 主任研究員 (20791544)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ネットワークトラフィック / 環境影響 / エネルギー消費量 / エネルギー政策 / 生活の変化 / 社会の変化 / カーボンニュートラル / 次世代通信システム |
研究実績の概要 |
近年、我が国のネットワークトラフィックは、生活や社会の変化と共に年間で20%から40%のペースで増加している。加えて、技術の進歩によりコンテンツの高品質化や新しいサービスの登場により将来的により一層の増加が見込まれる。 本研究は、情報ネットワークシステムの拡大による環境・社会・経済影響をライフサイクルにわたり俯瞰的に捉えるために、情報ネットワークと環境・エネルギー排出量を産業連関表により結びつけることで、次世代社会システムの導入・普及を分析評価する手法を構築することを目的とした。 2021年度は総務省が作成している2015年の産業連関表に対応した産業間の通信量をマトリックス形式に整理し、経済情報と通信情報の関係について試算した。具体的には、「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」、経済産業省が公表している「電子取引実態調査」「特定サービス産業動態統計」、「情報通信データベース」などを用いて作成した。その結果、各産業への需要が引き起こす通信量の増加と環境・エネルギーへの影響を示すことができた。しかし、大きく次の2点を改善する必要があることが示された。第一に、電話通信、移動通信、固定通信の種類別通信量については情報が限られているため、当初の計画通り引き続き2022年度も改善していく必要がある。第二に、産業間の通信量の計上について、最も詳細な情報で100部門以下の解像度で構成されているため、解像度の高い産業連関表に適応する際の妥当な推計方法を検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Covid-19の影響により、当初計画していた関連分野の研究者との議論やヒアリングが実施困難であったが、全体としてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度の試算により明らかになった点を改善し、学会発表により報告することで関連する分野の研究者との議論をより一層進める予定である。ただし、当初予定していた国際会議への参加や海外渡航については、社会状況により困難な可能性が高いため、研究をより一層進めることができる効果的な予算執行について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響により、当初計画していた旅費、人件費・謝金、その他について残額が生じた。この残額については、2022年度以降により良い研究成果に結びつくように効果的な使用方法を検討する。
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