研究課題/領域番号 |
21K17941
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野上 恵美 神戸大学, 大学教育推進機構, 特命助教 (90782037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベトナム / 高齢者 / 高齢者施設 / ケア |
研究実績の概要 |
本研究は、ベトナムにおいて高齢者特有とされる心身の不調に対する医療化が進む中、都市部の人々が高齢者認知症という新しい疾患をどのように理解し、対処しているかを民族学的手法によって明らかにすることが目的としている。そのため、主にベトナムで研究を行なう予定であるが、国内に居住しているベトナムにルーツを持つ人びとも研究対象とすしている。その背景には、1980年代初頭に定住を開始した在日ベトナム人1世が高齢化しつつあり、今後、在日ベトナム人コミュニティにおける高齢者をめぐる課題が顕在化することが想定されるからである。 2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、ベトナムへの渡航できなかったので、国内での活動を中心に行なった。(1)研究代表者によるルーマニアにおける高齢者のあり方に関する研究会の開催、(2)基盤研究(C)「ベトナム村落の独居高齢者をめぐる規範形成の動態と文化実践の再編:人類学を中心に」(19K12540 研究代表者:加藤敦典)主催の第2回ベトナムのケア研究会の共催、(3)第3回ベトナムのケア研究会(ゲスト:斎藤安彦 日本大学・教授)の共催、(4)日本文化人類学会植松東アジア研究基金「東アジアの高齢者の住まいと居場所―アタッチメントとディタッチメントの両面に注目して」第1回研究会(研究代表者:加藤敦典)において研究発表、(5)植松東アジア基金第2回研究会+第4回ベトナムのケア研究会(合同開催)の共催、(6)第5回ベトナムのケア研究会(ゲスト:金子由芳 神戸大学・教授)の共催、(7)ベトナムの高齢者施設に関する情報収集などを行った。 上記の活動を踏まえ、岩井美佐紀(神田外語大学・教授)、土屋敦子と共著で神田外語大学グローバル研究所『グローバル・コミュニケーション研究』に論文を投稿・掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の活動として、ベトナムで現地調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、ベトナムへの渡航ができなくなったため、当初の研究計画から大幅に遅れている。そのため、本年度は研究会開催、共著論文執筆、他の科学研究費補助金のグループとの合同研究会の開催などを実施した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いていれば、夏休み、冬休み、春休み期間にベトナムで現地調査を実施したい。あわせて、在日ベトナム人高齢者やその家族、また日本で働くベトナム人看護師、介護福祉士にインタビューを実施し、ベトナムにおける高齢者ケアのあり方について理解を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いていなかったため、ベトナムへの渡航ができなかったため、また国内調査においても高齢者を主な調査対象としていることから、インタビュー調査の実施が困難であったため、次年度使用額が生じた。今年度はベトナムでの調査および国内でのインタビュー調査を予定していることから、それらにあてる予定である。
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