研究課題/領域番号 |
21K17947
|
研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
吉田 尚史 立正大学, 社会福祉学部, 特任教授 (10408833)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 在日外国人 / メンタルヘルス / 精神疾患概念 / 医療文化 / 東南アジア |
研究実績の概要 |
2022年度(第2年目)における研究の成果について、本研究の目的、実施計画に照らして、以下述べていく。 1)具体的内容 本年度は、文献サーベイを引き続き行うとともに、国内フィールド調査に着手した。一つ目として、在留カンボジア人労働者の医療・福祉について、「精神の不調」に着目をし、検討を行った。カンボジア人労働者のうち定住が前提でない2つの在留資格(技能実習、特定技能)を主たる対象とした。資料としては、官公庁・公的機関が公開している統計データ、及び、在留外国人労働者、彼らの医療・福祉、そしてカンボジアに関連する先行研究に依拠した。二つ目として、日本を含めた各国精神保健医療福祉の状況、ローカルな精神疾患概念及び医療文化、移住・労働・ケアに関連する文献収集を進めた。三つ目として、2023年度(第3年目)より国内フィールド調査を実地で行えるよう準備を進めた。 2)意義と重要性 本研究では、二カ国から来日している労働者の精神保健福祉上の課題やニーズ、ローカルな精神疾患概念と医療文化を把握する。本年度は、カンボジア人労働者を主たる対象とし、各資料に基づいた文献調査を引き続き進めた。ここからは、カンボジア人を事例としながらも、広く外国人労働者の精神保健医療福祉と関わって、技能実習生に失踪者はおおくいて通常の医療・福祉サービスからは外れる、メンタルヘルス不調の場合ではより支援実施が困難である、特定技能外国人では支援体制の充実がはかられているが実情は不明である、おおくの地方自治体に点在する特定技能外国人はコミュニティを形成しにくい、などといった課題が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2年目においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は引き続いてあり、計画していた国外・国内でのフィールド調査を実地では行えなかった。COVID-19の影響を勘案しても、やや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度(第3年目)には、国内フィールド調査を実地で行う予定である。 ミャンマーにおいては、2021年2月1日クーデター後の影響下では、国外での現地調査に困難が予想される。そのためミャンマー調査については、当初計画をみなおす可能性がある。 また感染症の流行等を理由とし、研究期間の延長(第4年目)を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響があり、実地では、国外・国内でフィールド調査を行うことはできなかった。そのため、旅費、人件費・謝金が発生せず、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、書籍の購入、旅費の補填、調査・研究で使用する物品の費用に充当する。
|