研究課題/領域番号 |
21K17956
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鴨志田 聡子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (10773848)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 第二言語学習 / 危機言語 / ユダヤ・スペイン語 / イディッシュ語 / 言語継承 / アシュケナジ / セファルディ / ヨーロッパ |
研究実績の概要 |
報告者は2022年度は北米を拠点としたユダヤ諸語のオンライン学習の活動について参与観察をすすめた。さらにこれまでの参与観察で得たデータと日本における言語学習活動とを比較し、世界セファルディ学会(マドリード、CCHS-CSIC)、現代ユダヤ歴史・社会研究会(パリ、EPHE)において研究発表をした。海外でこの分野の研究をしている第一線の研究者や海外のユダヤ人コミュニティに向けて、報告者の活動、研究、考え、方法について説明することができた。さらに、報告者のこれまでの分析やこれからの方向性についてディスカッションすることができた。 国内では、COVID-19とマイノリティをテーマに研究会(早稲田大学)において研究の途中経過を報告し、人文系の多分野の研究者と議論して助言を得ることができた。 欧州において研究発表したことにより、ユダヤ諸語の重要な研究拠点パリのINALCO(CERMOM)の研究者やユダヤ人のコミュニティとの繋がりができ、共同研究者や研究協力者を得ることができた。INALCOにおいてはユダヤ諸語の学習現場を参与観察し、共同研究者と、文献調査や現地のコミュニティの活動の参与観察の結果の分析をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パンデミックによる渡航規制が一段落し、オンラインでしか行えなかった活動を一部対面に切り替えられたため、研究発表、参与観察、他の研究者との議論、分析内容の確認などを行えるようになった。しかし一方で、円安やインフレの影響を受けて研究費がかなり不足して思うように研究が進められない。以上からこのように判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究について論文にまとめている。報告者のこれまでの研究は危機言語の研究にとどまらず、第二言語学習や言語学習法など多分野に応用可能なので、方向性を模索している。また、アウトリーチ活動としてフィールドワークや文献調査で得た情報を一般向けに書き始めた。一部は雑誌『ふらんす』(白水社)の連載「パリとユダヤ人」にて出版する。 CERMOMにおいて共同研究者たちと研究を進めているが、研究費不足から思うように調査の計画ができない。そのため追加の研究費獲得を模索する。研究費獲得までは、可能な限り対面調査を行いつつ、オンラインにおける学習活動の参与観察と聞き取り調査を行う予定である。 今年度までの研究をまとめた論文を編集して掲載先を見つける予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より研究が進み研究計画を変更して今年度使用額を増やしたのだが、円安とインフレが続くことが分かったため、次年度以降のことを考慮して今年度の研究費の使用額を最低限に控えたため。
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