研究実績の概要 |
研究期間全体を通じた本研究の成果は、次の3点にまとめられる。 (1)ロッククライミングや、その背景にある近代アルピニズムに対する伝統的な山岳信仰の担い手たちの向き合い方や、両者の関係の一端に光を当てることができた。(2)山岳信仰の観光資源化を、「担い手たちの目線」から共に議論することができた。その結果(3)「観光」と「信仰」を活用したまちづくりのあり方や、「アドベンチャー・ツーリズム」や「トランスフォーマティブ・トラベル」に山岳信仰にまつわる文化を利活用する可能性について、検討・分析をおこなうことができた。 研究最終年度となる令和5年度は、(i)前年度までコロナ禍の都合で十分に実施できていなかったフィールドワークを実施し、質的データの収集に務めるとともに、(ⅱ)研究期間に得た知見を、北アルプスの雲の平山荘における講演「スマホと山伏」(2023年9月21日)や、国際ワークショップApproaching Modernity in Japan’s Mountainsでの報告,Yamabushi Practice as “Adventure Tourism”「アドベンチャー・ツーリズム」としての山伏修行(2023年10月14日)、観光庁主催の日本遺産フェスティバルにおいて、分化会「「山岳信仰・修験の文化」~信仰の文化がつなぐ人・地域」のコーディネート・コメント(2023年11月5日)などを通じて公開した。
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