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2021 年度 実施状況報告書

島嶼地域の社会経済特性と観光施設の立地分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K17970
研究機関秋田大学

研究代表者

高橋 環太郎  秋田大学, 教育文化学部, 講師 (70847954)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード島嶼地域 / 観光需要 / 交通網
研究実績の概要

本研究は島嶼地域を対象に社会・経済構造と観光施設の立地との関係を統計分析によって明らかにすることを目的としている。島嶼地域を対象とした研究では個別地域を対象とした記述的な研究の蓄積は多いが、計量的手法を用いたマクロスケールによる研究は少ない。統計分析は地域の特徴を実証するうえで効果的な手法であるが、島嶼地域の有する複数の関係性を明らかにする手法として有用である。本研究は観光による地域振興を目指す島嶼地域において重要な視点となり、離島振興を考える上で重要な研究だといえる。初年度である2021年度(令和3年度)は長崎県における島嶼地域の航路網に注目し、交通ネットワークと観光需要の関係について学会発表および論文執筆を行った。
長崎県は多くの島嶼を有しており、各島では観光による地域振興の取り組みが盛んにおこなわれている。こうした島嶼地域の観光を考えるうえで、都市と島や島間を結ぶ航路網は観光振興を考えるうえでも重要な役割を果たしている。分析ではネットワーク分析を援用して、中心性の測定を行い、重要度の高い地域を推定した。また、得られた中心性の値と観光客数との関係を分析し、交通網と観光需要の関係を明らかにした。
学会報告は遠隔で行われたが、地理学分野の研究者を中心に多様な方法論を有する研究者と自身の研究領域について深く議論を行うことができた。また、論文執筆は島嶼地域を対象にした学際的な研究機関の学術雑誌に投稿をした。学会とは異なり、多様な分野の査読者からのコメントを通して、自身の研究を深めることができた。
今後の研究では引き続き交通網に着目し、観光需要との関係について分析をすることである。また、交通網の研究を通して、都市部との結びつきが重要であることが明らかになったため、島と結びつきの強い都市との関係について統計モデルを用いた実証を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究データの整理および構築を行うことができた。また、学会発表および論文にて発表をしたため、概ね順調である。ただし、複数の島を対象とした研究ではあるが、長崎県のみを対象とした研究成果であったため、今後は分析の単位を広げる予定である。

今後の研究の推進方策

次年度では航路だけではなく、島嶼地域の航空網についても分析を行う予定である。また、立地についても着目し、近接する都市と観光需要の関係についても統計的手法によって明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由はコロナウイルスの蔓延により、予定していた調査活動を縮小したことや学会の遠隔開催によるものである。次年度の使用額については現地調査の旅費や分析に必要な物品に利用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 長崎県の島嶼地域における航路網と観光需要との関係2021

    • 著者名/発表者名
      高橋 環太郎
    • 雑誌名

      島嶼地域科学

      巻: 2 ページ: 63~78

    • DOI

      10.34526/jrsi.2.0_63

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 長崎県における観光と島嶼地域への交通網に関する考察2021

    • 著者名/発表者名
      高橋環太郎
    • 学会等名
      人文地理学会(特別例会)
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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