研究課題/領域番号 |
21K17974
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
加藤 好雄 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (90740712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アクティビティ・システム / 価値共創 / 顧客体験 |
研究実績の概要 |
本研究では、企業の内部環境である内部資源や活動に焦点を当てたアクティビティ・システムを用いて企業の競争優位性を明らかにするだけではなく、価値共創の視点からも重要な要素である顧客行動をシステム内の変数と連動してシステムの再構築を行う過程に焦点を当てている。本研究の目的は、COVID-19の感染拡大のような外部環境が大きく変化していく過程において、企業のアクティビティ・システムがどのようにして再構築されるかということを明らかにすることである。 この研究目的を達成するために、 2022年度の研究実施計画として、COVID-19感染拡大前後による比較分析が可能な項目設定を設定したWEBアンケート調査や半構造化インタビュー調査を予定していたが、2022年前半もCOVID-19の感染が収束しなかったために実施しなかった。代わりに、感染拡大による宿泊事業への影響を主に上場企業の財務データによる調査・分析を2021年度から継続して実施した。さらに、昨年度に予定していた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による宿泊客行動への影響の大きさを明らかにするために、発令された時期と地域別に分析する研究を行った。 上記の分析結果は、2023年度5月28日に日本商業学会が開催した第73回全国研究大会により「COVID-19感染拡大における宿泊客行動に関する研究-宿泊事業の企業活動に着目して-」としても発表している。内容としては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は宿泊者数への影響が大きかったが、宿泊への消費額に関しては全国旅行支援(2022年10月以降)によって感染拡大以前よりも増加していることを明らかにしている。この結果は、次年度の各種調査・分析への意義のある研究になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、COVID-19の感染拡大とまん延防止等重点措置、また全国旅行支援の影響が大きく、顧客行動の分析ができる状況になかった。この理由により、感染拡大前後の顧客行動分析のためのWEBアンケート調査と各企業への関係者へのインタビュー調査は2023年度に実施することにしている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、計画されていたCOVID-19感染拡大前後における顧客行動の比較分析が可能なWEBアンケート調査を実施する。また、各企業の関係者への調査として、半構造化インタビュー調査を定期的に行い、企業活動の変化のプロセスを継続的に収集する。 計画外の予定としては、全国旅行支援は消費行動に大きな影響があることからこの点を考慮して各種調査を実施する。ただし、2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症の位置づけが、新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)から5類感染症になることで、政府として一律に日常における基本的感染対策を求めることがなくなった。このことから、2023年6月以降は宿泊客の意識の変化に着目した調査が可能になった。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、COVID-19感染拡大とまん延防止等重点措置、また全国旅行支援の影響が大きく、顧客行動の分析ができる状況になかった。これらの理由により、感染拡大前後の顧客行動分析のためのWEBアンケート調査と各企業の関係者へのインタビュー調査は2023年度6月以降に実施することから、調査・分析費用や成果報告用の経費として使用する予定である。
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