研究課題/領域番号 |
21K17978
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
鈴木 祥平 東京工科大学, メディア学部, 助教 (70826825)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 観光 / OTA / コロナ禍 / 宿泊予約 |
研究実績の概要 |
本研究は,宿泊予約サイト(OTA)データの新たな活用法を示すことで,宿泊施設およびDMO等の観光振興組織によるデータオリエンテッドな誘客策の実施を支援するものである.初年度の実績は以下の通りである. まず,OTAデータを用いて宿泊予約の実態を把握するための新たな試みを行った.この研究では,OTA上で予約可能なプラン数が宿泊日の1ヶ月(4週間)前と前日時点でどの程度変化したのかを表す変化率を算出することで,宿泊日までの1ヶ月の間に行われた予約量の把握を試みた.2019年と2020年のデータを分析し比較したところ,3月以降の新型コロナウイスの流行や4月の緊急事態宣言の影響,10月・11月のGoToトラベルキャンペーンの影響などが定量的に可視化された.特にGoToトラベルキャンペーンが観光客の行動に大きく影響を与えていることが示され,本研究の手法によりある程度宿泊予約の実態を把握することができた.一方で,変化率の算出方法が地域の宿泊施設数に依存するなどの問題も指摘された. 上記の分析後は,宿泊予約の実態把握手法を改善した上で,予約に影響を与える要素(宿泊施設や地域の特徴)の分析を行った.また,コロナ禍という特殊な状況を鑑みて,平常時における観光客の選好ではなく,コロナ禍,あるいは補助金を得られるGoToトラベルキャンペーン実施中の観光客の選好と研究の焦点を絞って分析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務先(大学)の変更により,特に2021年度前半(4~9月)が当初の予定と比較して研究以外の業務が多忙となり,予定していた論文投稿が行えなかった.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は予約実態の把握方法を検討した上で,予約へ影響を与える要因や影響の大きさについて分析を行った.2022年度は現在効果が明らかになっている要素に加えて,さらなる要素の効果を検証する.また,2021年度と同様の手法により新型コロナウイルスやGoToトラベルキャンペーンの影響を分析し比較することで,コロナ禍における観光の変化について考察する.
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次年度使用額が生じた理由 |
前述したように研究の進捗が遅れたことで論文の校正・投稿費用が使用されなかった.また,新型コロナウイルスの影響により,現地で参加予定の学会がオンライン開催となり,旅費が使用されなかったため,次年度使用額が生じた. 2022年度は2021年度に行えなかった論文の校正・投稿・掲載料や,現地での学会発表のための旅費に助成金を使用する予定である.
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