研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の産業観光活性化方策を“公共主導”と“民間主導”の両観点から提示することにある。本研究は、3つの段階から構成される。 第1段階は、“公共主導”の産業観光の分析を通じた成功要因の抽出である。筆者はドイツ・ルール地域「産業文化の道」の分析を通じて、①基礎的データを考慮したマーケティング、②多様な組織による持続可能なマネジメントという2つの知見を見出している。このことについて、「産業観光活性化方策の提案-ドイツ・ルール地域の事例分析から-」(『日本地域政策研究』第27号、pp.90-97、2021年)にまとめた。 第2段階は、“民間主導”の産業観光の分析を通じた成功要因の抽出である。筆者はドイツ・アウトシュタットの分析を通じて、③小売部門と連携したマーケティング、④産業観光を軸とした地域の魅力向上という2つの知見を見出している。このことについて、「民間主導の産業観光に関する考察-ドイツ・アウトシュタットのマーケティング-」 (『日本地域政策研究』第32号、pp.68-75、2024年)にまとめた。 第3段階は、“公共主導”と“民間主導”の成功要因の融合に基づく日本の産業観光活性化方策の検討である。名古屋・中京地域に着目して、①~④の意義を明らかにする。このことについて、“Measures to Revitalize Industrial Tourism in the Nagoya and Chukyo Areas of Japan Using Structural Equation Modeling,”(Proceedings of the 9th International Conference on Hospitality and Tourism Management, Vol.7, Issue.1, 2022, pp.1-12.)にまとめた。
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