研究課題
若手研究
アルカリカソード薄膜によるヘテロ結合を用いて負の電子親和力が得られる新しいNEA-GaAs構造を実現するため、薄膜によるNEA層の理解を試み、その化学結合状態の解明を挑戦した。貧弱なNEA層の機能を損なわずに輸送できる真空スーツケースを開発した。これを用いて世界初で大学のラボから放射光施設まで無傷のままでカソードの輸送が成功した。2種類の成膜手法を試し、作製されたカソード構造の組成の違いが確認できた。頑丈なNEA層を目指し、K過蒸着法から得られた組成は適正だと抜粋できた。
加速器
今までカソードの性能とする量子効率と寿命だけに注目してカソードの研究開発を行っている。一方、その性能が更なる向上することが難しくなってきた。その問題に対して、本研究の成果では、カソードの研究開発に新しい手口を提供することができた。フォトカソード自体の化学結合状態及びその物理的なメカニズムの解明からフォトカソードの分子構造などの理解を深めることが可能になり、カソード性能の向上に繋ぐ。