研究課題
今年度は、昨年度に引き続き、静的サイト(Webサイトの構成の一つで、HTMLファイルや画像などの静的コンテンツのみで構成されたサイト。動的な仕組みがないためサイトを設置するサーバ環境を選ばず、セキュリティリスクも低い。)としてデジタルアーカイブシステムを構築する手法を検討し、基盤となるシステム開発を行なった。特に、2022年11月に正式リリースされたNuxt 3(オープンソースのWebアプリケーションフレームワーク)の導入を進めている。またインターネット上のメタデータ自動収集のためのプロトコルの一つであるResourceSync機能の実装も行った。これらの機能により、高い持続性と利活用性を実現することを目指している。また上記システムを用いて、以下に示すデジタルアーカイブシステムを構築した。いずれも静的サイトとして構築し、GitHubなどのホスティングサービス上で公開している。東京大学総合図書館「電子展示『君拾帖』(拡張版)」/浄土真宗本願寺派総合研究所「浄土真宗聖典オンライン検索システム」/東京大学総合図書館「ゲーテ自署付書簡テキストデータ(TEI準拠)」/東京大学史料編纂所「策彦周良文集」特に後の3つのシステムはTEI(Text Encoding Intiative:人文科学のテキストの符号化・交換のための規格)に準拠したXMLファイルを入力データとしており、画像やテキストなど多様なコンテンツを対象としたデジタルアーカイブシステムの構築に適用可能なシステムとして開発を進めている。
2: おおむね順調に進展している
基本的なシステム開発を円滑に進めることができ、また多様なシステム構築事例を通じた機能検証を行うことができた。しかしながら、コロナウイルスの影響を受けて、国際会議への参画が制約され、研究成果の発信が充分に行うことができなかった。次年度においては、この課題に対する取り組みを重点的に進める予定である。
デジタルアーカイブシステムの改善と多様な構築事例への応用を継続的に実施する。同時に、開発したシステムに関するドキュメンテーションを充実させ、申請者以外のユーザによる導入や運用を支援する。さらに、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の仕組みを活用し、コンテンツ管理者が効率的にデータ更新を行える環境を整備する。これらの取り組みを通じて、本研究で提案する持続性と活用性に優れたデジタルアーカイブシステムの多岐にわたる適用が促進されることを目指す。
コロナウイルスの影響により、計画していた海外渡航を中止する必要があった。次年度は積極的に国際会議に参加し、情報収集や成果発信に注力する予定である。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件) 備考 (4件)
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