本研究成果により、これまでに細胞の振る舞いに影響を与えることがないと考えられてきた培養面のわずかな曲率が、細胞の集団的な変形や表現型の変化に強い影響を与えることが明らかになった。凹状曲面上で細胞の変形挙動がシンプルな力学に従って剥離・凝集挙動を示す一方で、凸状曲面上に存在する細胞は細胞内小器官の変形をきっかけにその表現型を変えることを示唆する結果が得られた。本研究を通じて得られた成果は、組織工学や再生医療において、複雑な形状の足場を製作し、細胞の振る舞いを望み通りに誘導するための基盤的な知見となることが期待される。
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