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2021 年度 実施状況報告書

最先端宇宙観測技術による放射性薬剤の生体内可視化に向けた高感度撮像システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18049
研究機関東京大学

研究代表者

桂川 美穂  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (70845271)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードCdTe半導体素子 / スペクトルフィッティング
研究実績の概要

本研究の目的は、宇宙観測用のCdTe半導体検出器を核医学の分子イメージングへ応用し、高感度な硬X線イメージャーを開発することである。本研究では、CdTe半導体イメージャの装置開発と解析技術の開発を行う。
2021年度は、試作コリメータの検証とCdTe半導体検出器の解析アルゴリズムの開発を行った。装置開発では、平行多孔コリメータのパラメータの最適化を図り、試作品を用いて新たな形状のコリメータの有用性を検討した。傾斜角をつけたコリメータでも十分な撮像能力が期待できることがわかり、視野の拡大が可能となった。また、試作コリメータと放射線源を用いた撮像実験を行い、金属3Dプリンタで造形される隔壁の薄さを検証した。隔壁の薄さは、コリメータ効率を向上させる重要なパラメータである。非常に薄い隔壁の製造が可能であることがわかり、コリメータ感度の更なる向上が見込めることがわかった。解析アルゴリズムの開発では、放射エネルギーの近い核種を複数撮像する場合でも核種ごとの画像を抽出できるように、スペクトルフィッティングの解析手法を取り入れた。この手法では、エネルギースペクトルにモデル関数をフィッティングすることで個々の核種やバックグラウンドからの放射量を推定し、そこから算出される補正項を用いて画像を補正し、核種ごとの画像を抽出している。さらに、放出エネルギーの近い放射線源(In-111とI-125)を用いて実証実験を行い、開発した手法が複数核種の撮像に有効であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データ解析の過程に新たにスペクトルフィッティングを取り入れることで、CdTe半導体検出器の性能を生かした解析手法を構築することができた。また、試作コリメータの検討から、今後のコリメータ形状に関して十分な知見を得ることができ、視野の拡大やコリメータ効率向上の見込みを得ることができた。

今後の研究の推進方策

2mmのCdTe半導体素子の解析アルゴリズムの開発を進める。これまでのCdTe半導体素子よりも有効面積が大きい2mm厚のCdTe半導体素子の解析手法の確立に注力し、撮像装置の感度向上を図る。また、電極の配置パターンの最適化や素子の拡大化を検討し、素子のイメージング性能の向上を目指す。

次年度使用額が生じた理由

covid-19の影響による半導体不足による製造の遅延が発生したため、実験計画を一部変更し、当初予定していたCdTe半導体素子の購入を翌年予定に変更したためである。当該助成金と翌年度分の助成金は、CdTe半導体素子やコリメータの購入にあてる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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