研究課題/領域番号 |
21K18059
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐々木 一真 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (30884291)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | シャント音 / 透析 |
研究実績の概要 |
血液透析治療において血流の情報を持った定量的かつ客観的なバスキュラーアクセス(VA)機能評価方法が確立することができれば、臨床現場のみならず近年増加傾向である在宅透析においてもシャント音の測定のみで血流状態が得られることに加え、血管形状や狭窄率が推測可能となり、透析患者のVA管理に大きく貢献できると考え、①血流の様子と血管状態の可視化、②定量的かつ客観的なVA機能診断システムの確立、③透析患者のVA機能評価方法への応用 この3つの課題を設定した。 ①に関しては他大学にて粒子画像流速測定法(PIVシステム)を用いた可視化実験を行う予定であったが、COVID-19の影響により県外移動が難しく移動制限もあったため、実験を行うに至らなかった。そのため、PC上で流れのシミュレーション解析を行う流体構造連成解析を行う方向に変更した。②に関しては実験システムに必要な備品を購入し、本学にて実験システムの構築をすることができた。擬似血管狭窄モデルの作製も同時に進め、新たな課題を発見するところまでに至った。③に関しても①同様、COVID-19の影響により県外移動が難しく医療機関訪問も不可能であったため、透析患者様のデータを測定・解析するまでに至らなかった。 全体的にCOVID-19の影響があり当初の予定を変更せざるを得なかった。ただし、今年度は本学で実験システムを確立することができ、学会発表・論文投稿準備まで進めることができたため、今後も継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、一部の実験を県外で実施予定であったが、COVID-19の影響によりそれが難しくなったため。学内での実験を優先することへ変更し、使用予定であった解析ソフトや血管モデルに関しては、県外実験先施設からの代用品を用いることができ、本学での実験システム構築・実験を実施するよう方向転換した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施できなかった粒子画像流速測定法(PIVシステム)を用いた可視化実験や、3Dプリンターを使用して様々な条件を設定した血管モデルの作製を行い、多種多様の患者の血管を模擬したモデルでの擬似シャント音測定を行う。また、これまで測定済みの透析患者様のシャント音データの解析も同時に行う。そして、実験データと臨床データを比較・検討し、「血流の情報を持った定量的かつ客観的なVA機能評価方法を確立」するという目標に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度発表予定であった学会は全てオンライン対応となり、旅費の支出がなかったため。今後は、作製したモデルで得られたデータの解析や実験結果をまとめ、研究成果として学会発表や論文投稿を予定している。
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