研究課題
若手研究
本研究では、高分子網目の逐次形成手法を用いることで、従来の研究では困難だった高力学特性と細胞接着性を併せ持つ、生体適合性に優れた材料からなる高分子ゲルを開発した。この材料は、自己組織化ペプチドとポリエチレングリコールからなる完全合成材料であるため、毒性の懸念が少ない。本研究にて開発した高分子ゲルは、今後の組織工学や再生医工学の発展に寄与するものである。
バイオマテリアル
現行のダブルネットワークゲルは、① 細胞毒性を伴う光架橋や重合法を用いたゲル化手法、② ゲル物性の制御が困難な高粘性材料、③ 生体適合性に乏しい高分子などの、バイオメディカル応用に不向きな材料戦略だった。しかしながら本研究では、これらの課題を全て克服したダブルネットワークゲルを、完全合成材料を用い、高分子網目の逐次形成手法を組み合わせることで作成した。本研究成果は、新規なダブルネットワークゲルの作成手法を提案するとともに、臨床的な観点からも基盤となる技術となり得る。