脳梗塞のような中枢疾患の治療においては、脳への薬物移行の障壁となる血液脳関門(BBB)の突破が必要である。本研究では、BBB透過能を有する種類が報告されている細胞外小胞エクソソーム(Exo)に着目し、Exoの脂質膜組成を利用した脂質ナノ粒子リポソームとの融合法の確立に着手した。そして、構築した融合ナノ粒子が、がん細胞や脳血管内皮細胞に高い取り込みを示すことを明らかとした。また、Exoへの機能性脂質・低分子薬物の搭載において、超高圧ホモジナイザーを用いた高圧乳化処理が有用であることを示し、皮下移植担がんマウスを用いた検討から、in vivoでの疾患治療に適用可能であることが見出された。
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