山中因子導入によるiPS細胞のin situ作製は魅力的な戦略であるが、安全かつ効率的な遺伝子導入方法がまだない。本研究では、ゲノム挿入の危険がなく安全かつ効率的にiPS細胞を誘導できるRNAレプリコンに着目し、高分子ミセルを用いてRNAレプリコンを送達することで、生体内でiPS細胞を作製することを目的とする。具体的には、RNAに親和性の高い柔軟性ポリカチオンによるRNAレプリコンを酵素分解から保護する機能に加え、細胞質への送達のための機能性アミノ酸を搭載した高分子ミセルを開発し、その投与により生体内で標的細胞に山中因子を発現させることで、iPS細胞をin situ誘導する方法を検証する。
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