研究実績の概要 |
本年は研究を行う上で重要なプログラムの実行環境の整備を行った. 深層学習を行う上で,高性能な画像処理演算装置 (GPU) を搭載したコンピュータが不可欠である.そこで採択初年度である本年は,深層学習用のコンピュータを購入し開発環境の整備を行った.開発環境の整備と並行して,本研究に使用する画像の選別を行った.本研究では,正常な病変を含まない胸部単純X線画像を大量に学習させたネットワークに,病変を含む画像を入力することで,病変を含まない画像を生成させ,入力した病変を含む画像から生成した病変を含まない画像を差分することで,病変部を強調するシステムの開発を目指している.本研究では正常な胸部単純X線画像が大量に必要である.所有している画像データベースから,明らかに異常がある画像や,ボタンや下着のホックなどの異物がある画像は研究対象から除外した.選別を行った結果,約20,000枚の画像を研究対象とすることができた.選別した画像はプログラムで実行できるフォーマットに変更するなどの前処理を行った.画像生成用の敵対的生成プログラムは交付決定前から作成に取り掛かっていたが,実際に実行すると期待した解像度の画像が得られないなどの不都合な点ががあったので,現在は他の手法を用いることを模索している. また,日本放射線技術学会の秋季学術大会に参加し,最新の深層学習に関する研究に触れると同時に,他の研究者と情報交換も行った.
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